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非永住者は「居住形態等に関する確認書」を確定申告書に添付しましょう!

この記事の要点3行でわかる結論

  • 非永住者とは、日本国籍がなく、過去10年以内に国内に住所または居所があった期間の合計が5年以下の居住者をいいます。
  • 非永住者が確定申告をするときは、「居住形態等に関する確認書」の添付が所得税法120条7項で義務づけられています。任意の書類ではありません。
  • 国外源泉所得であっても、日本国内で支払われたものと日本へ送金されたものは課税されます。確認書はその金額を書く様式になっており、送金の記録を残しておく必要があります。

外国籍の方が日本に住んで働き始めると、日本での確定申告が必要になる場面が出てきます。その際に見落とされやすいのが「居住形態等に関する確認書」です。この書類は、非永住者に当てはまる方が確定申告書に添付しなければならない、法律で定められた添付書類です。

この記事では、非永住者とは誰を指すのか、5年をどう数えるのか、確認書に何を書くのか、そして「国外の所得は申告しなくてよい」という理解のどこが正確でないのかを順に説明します。

1. 非永住者とは、居住者の中の一区分

所得税では、個人をまず居住者と非居住者に分けます。居住者とは、国内に住所がある個人、または現在まで引き続き1年以上国内に居所がある個人です。日本で就職して住み始めた外国籍の方は、通常この居住者に当たります。

その居住者が、さらに「永住者」と「非永住者」に分かれます。

所得税の納税義務者は3つに分かれる所得税の納税義務者永住者居住者・全世界所得非永住者居住者・一部が対象非居住者国内源泉所得だけ
永住者と非永住者はどちらも居住者です。日本に住んでいない非居住者とは別のものです

非永住者に当たるのは、次の要件をすべて満たす方です。

  1. 日本の居住者であること(国内に住所がある、または1年以上の居所がある)
  2. 日本国籍を有していないこと
  3. 過去10年以内において、国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下であること

「永住者」は法律上の用語ではなく、正確には「非永住者以外の居住者」です。入管法上の在留資格である「永住者」とも別の概念ですので、混同しないようご注意ください。

国税庁No.2010 納税義務者となる個人

国税庁No.2875 居住者と非居住者の区分

2. 「過去10年以内に5年以下」の数え方

判定で中心になるのは3つめの要件です。ここは「入国してから5年」ではなく、その年の判定時点から過去10年をさかのぼり、その中で日本にいた期間を通算して5年以下かどうかで見ます。途中で出国して戻ってきた期間も、すべて足し合わせます。

外国籍の方が日本に住み続けた場合の5年の区切りこの間は非永住者以後は全世界所得課税日本に入国2022年4月1日通算5年に到達2027年3月31日永住者になる2027年4月1日〜
過去10年以内に国内に住所または居所があった期間の合計が5年を超えた時点で永住者になります

2022年4月1日に入国して継続して日本に住んでいる方であれば、2027年3月31日で通算5年に達します。2027年4月1日以後は永住者となり、国外で生じた所得も含めたすべての所得が日本の課税対象になります。

期間の合計は、年・月・日をそれぞれ足したうえで、30日を1か月、12か月を1年として計算します。これは確認書の二面(後述)に印刷されている計算方法です。1日単位で管理する必要があるのは、出入国を繰り返している方です。

3. 「国外の所得は申告しなくてよい」は正確ではない

非永住者の課税所得の範囲は、次の2つです。

  • 国外源泉所得以外の所得(おおむね日本国内で生じた所得) 全額が課税対象です。
  • 国外源泉所得のうち、日本国内において支払われたもの、または国外から日本へ送金されたもの この部分は課税対象です。

つまり、国外源泉所得であっても、日本国内で支払われた分と、日本へ送金した分は日本で課税されます。「非永住者は海外の所得を申告しなくてよい」という説明は、この2つの例外を落としています。

国税庁No.2010 納税義務者となる個人

母国に持っている不動産の家賃を、日本の生活費に充てるため日本の口座へ送金しているようなケースが典型です。送金した年に、その送金額の範囲で課税の対象に入ってきます。海外から日本への送金は、金融機関から税務署へ提出される国外送金等調書によって把握される仕組みにもなっています。


やました君

「日本に送っていなければ申告は不要」と単純化して覚えている方が少なくありません。判定に効くのは送金の有無と金額です。海外口座から日本の口座への入金は、年単位で記録を残しておいてください。

4. 「居住形態等に関する確認書」は添付が義務

非永住者に当たる方が確定申告書を提出するときは、「居住形態等に関する確認書」を添付しなければなりません。所得税法120条7項に定められた義務で、記載事項は所得税法施行規則47条の4に定められています。任意の参考資料ではありません。

様式は国税庁のサイトで年分ごとに公開されています。2026年9月時点の最新は令和7年分です。令和8年分の様式はまだ公表されていませんので、申告前に最新の年分を確認してください。

国税庁居住形態等に関する確認書(令和7年分)

この様式は日本語と英語が併記されています。ご本人が記入する場面も想定されているため、海外から着任したばかりの従業員の方にも渡しやすい書類です。

5. 確認書には何を書くか

確認書はA4で2枚(一面・二面)の構成です。書く内容は次のとおりです。

一面 居住形態等に関する確認書

欄記入する内容
本人情報氏名、住所または居所、電話番号、国籍、在留カード番号等
入国と在留当初の入国年月日、在留資格、在留期間
その年の出国その年中に出国したかどうか。出国した場合はその期間と目的
居住形態の期間区分その年中の非居住者期間・非永住者期間・永住者期間をそれぞれ日付で区切って記入
国外源泉所得非永住者期間中の国外源泉所得の有無。ある場合は①その金額、②うち国内で支払われた金額、③うち国外から送金された金額

二面 住所又は居所を有していた期間の確認表

過去10年分の国内居住期間を、開始日と終了日で並べて記入し、その合計を出します。令和7年分の様式であれば、平成27年1月1日から令和6年12月31日までが対象期間です。加えて、その年(令和7年)中に国内に住所または居所があった期間も記入します。

合計欄の下には「30日を1月、12月を1年として計算します」という注記があります。第2節で触れた数え方は、ここに根拠があります。

一面の国外源泉所得の欄が、実質的にこの書類の中心です。金額を書く欄がある以上、非永住者だからといって国外の所得を把握しなくてよいわけではない、ということが様式からも読み取れます。

6. 実務で何を準備しておくか

  • パスポートの写しを添える。入国日と出入国の履歴を裏づける資料として有効です。確認書の一面には当初の入国年月日を書く欄があるため、記載と整合する資料を用意しておきます。
  • 送金の記録を年単位で残す。海外口座から日本の口座への送金は、着金日と金額が分かる形で保存しておきます。
  • 5年を超える年を先に把握しておく。永住者になった年からは全世界所得課税に切り替わります。国外に不動産や有価証券をお持ちの方は、その年の前に外国税額控除や為替の扱いを含めて確認しておく必要があります。
  • 年の途中で区分が変わった年は分けて考える。確認書の一面に非居住者期間・非永住者期間・永住者期間を分けて書く欄があるとおり、1年の中で区分が変わることは前提とされています。

7. 令和8年度改正は非永住者にも及ぶか

非永住者は税法上の居住者です。したがって、居住者向けの所得控除も、要件を満たせば居住者と同じように使えます。令和8年度改正で基礎控除が引き上げられ、扶養親族等の所得要件が58万円以下から62万円以下に変わりましたが、これらの改正は非永住者にも及びます。改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税について適用されます。

国税庁令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について

一方、日本に住んでいない非居住者は、そもそも使える所得控除が3つに限られ、基礎控除の上乗せも受けられません。同じ「外国に関係する個人」でも、居住者か非居住者かで結論が正反対になります。

8. まとめ

  • 非永住者とは、日本国籍がなく、過去10年以内に国内に住所または居所があった期間の合計が5年以下の居住者。
  • 5年は入国からの年数ではなく、過去10年をさかのぼった通算期間で判定する。30日を1か月、12か月を1年として計算する。
  • 国外源泉所得でも、国内で支払われたものと日本へ送金されたものは課税される。
  • 確定申告書には「居住形態等に関する確認書」の添付が義務づけられている(所得税法120条7項)。2026年9月時点の最新様式は令和7年分。
  • パスポートの写しと送金記録をあわせて準備しておくと、後日の問い合わせに一度で答えられる。

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よくある質問

非永住者とは、どんな人のことですか?

非永住者とは、日本の居住者のうち、日本国籍がなく、過去10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下の人をいいます。「永住者」は法律上の用語ではなく、正確には「非永住者以外の居住者」です。入管法の在留資格である「永住者」とも別の概念です。

「居住形態等に関する確認書」は必ず提出しないといけませんか?

必要です。非永住者に当たる方が確定申告書を提出するときは、所得税法120条7項により添付が義務づけられています。任意の参考資料ではありません。記載事項は所得税法施行規則47条の4に定められており、平成29年分の申告から義務づけられています。

居住形態等に関する確認書には何を書きますか?

A4で2枚(一面・二面)の構成です。一面には氏名・国籍・在留資格・当初の入国年月日、その年の非居住者期間・非永住者期間・永住者期間、非永住者期間中の国外源泉所得の額と、うち国内で支払われた額・国外から送金された額を書きます。二面には過去10年分の国内居住期間を並べ、その合計を出します。

非永住者は海外の所得を申告しなくてよいのですか?

全部が不要なわけではありません。国外源泉所得のうち、日本国内で支払われたものと、国外から日本へ送金されたものは日本で課税されます。母国の不動産の家賃を日本の口座へ送金しているようなケースは、その送金額の範囲で課税対象に入ります。

確認書の最新の様式はどれですか?

2026年9月時点で公表されている最新のものは令和7年分です。令和8年分の様式はまだ公表されていないため、申告前に国税庁のサイトで最新の年分を確認してください。様式は日本語と英語が併記されており、本人が記入する場面も想定されています。

<注記>この記事は、中小企業の経営者や経理担当者の方に向けて、制度の全体像を分かりやすく説明することを目的としています。細部の要件は省略している箇所があります。個別の判断については、顧問税理士または当事務所にご相談ください。記載内容は2026年9月時点の法令等に基づいています。