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【出国税(国外転出時課税制度)サポート】のサービスを始めました!

この記事の要点3行でわかる結論

  • 国外転出時課税制度は、1億円以上の有価証券等を持つ方が日本を離れるとき、売っていなくても売ったものとみなして所得税を課す制度です。
  • 対象になるのは、対象資産1億円以上かつ、国外転出前10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超える方です。
  • 納税管理人の届出などの要件を満たせば5年間(延長により最長10年)の納税猶予を受けられます。当事務所ではご相談を承っています。

資産をお持ちの方が海外移住を検討されるとき、必ず確認しておきたい制度があります。国外転出時課税制度、通称「出国税」です。平成27年7月1日以後の国外転出から適用されています。

この制度の特徴は、実際には何も売っていないのに課税される点にあります。手元に現金が入らないまま納税義務だけが生じるため、準備なしに出国すると資金繰りに困ることになります。この記事では制度の要点を整理し、あわせて当事務所のサポートをご案内します。

1. 何のための制度か、なぜ設けられたのか

日本では、上場株式などの譲渡益に約20%の税金がかかります。一方、国によっては株式の譲渡益に課税しない、あるいは税率が著しく低いところがあります。

含み益を抱えたまま税率の低い国へ移住し、移住後に売却すれば、日本の税金を負担せずに済んでしまいます。この形の課税逃れを防ぐために設けられたのが国外転出時課税制度です。日本を離れる時点で、いったん精算するという考え方です。

2. 誰が対象になるのか

次の両方を満たす居住者が対象です。

  1. 対象資産の価額等の合計額が1億円以上であること。国外転出の予定日から起算して3か月前の日の現況で判定します。
  2. 国外転出をする日前10年以内において、国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超えること。
2つの要件を両方満たすと対象になる国外転出をする居住者対象資産1億円以上かつ 10年以内に国内5年超 → 課税どちらか欠ける→ 対象外
対象資産の価額は、国外転出の予定日から起算して3か月前の日の現況で判定します

国税庁No.1478 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例

②の要件があるため、短期間だけ日本に滞在していた外国人の方などは対象から外れます。一方、長く日本で暮らしてきた方が資産を持って移住する場合は、正面から対象になります。

3. 何が対象資産になるのか

対象になるのは次のものです。

  • 有価証券(上場株式、非上場株式、投資信託、国債・社債など)
  • 匿名組合契約の出資の持分
  • 未決済の信用取引・発行日取引
  • 未決済のデリバティブ取引

裏を返すと、不動産、預貯金、外国通貨、貴金属などは対象外です。非上場株式も含まれる点は見落とされやすいところです。自社株を保有したまま移住する経営者の方は、評価額次第で1億円の基準に達することがあります。


やました君

1億円の判定は、対象資産の合計額で行います。上場株式が5,000万円、自社株の評価額が6,000万円であれば、合計1億1,000万円で対象です。自社株の評価は移住の話が出てから慌てて行うと間に合いません。早い段階で概算だけでも把握しておくことをおすすめします。

4. どう課税されるのか

国外転出の時に、対象資産を時価で譲渡したものとみなして所得を計算します。

売っていなくても、売ったものとみなして課税される上場株式の取得価額3,000万円国外転出の時の価額(時価)1億2,000万円譲渡があったものとみなされる所得 = 1億2,000万円 − 3,000万円9,000万円
実際には株式を保有したままです。手元に現金が入らないまま納税が生じます

実際には株式を保有したままなので、現金は一切入ってきません。それでも譲渡所得として申告し、納税する必要があります。ここが制度の最も厳しいところです。

納税管理人の届出をしてから出国する場合は翌年の確定申告期限までに、届出をしない場合は出国の時までに準確定申告を行います。

5. 納税を先送りできるのはどんなときか

現金が入らないまま納税するのは負担が大きいため、納税を先送りする仕組みが設けられています。

納税猶予を使えば、納付を先送りできる納税管理人の届出などが要件判定の基準日転出予定日の3か月前国外転出課税のタイミング納税猶予の期限5年延長した場合最長10年
猶予期間中に売却しなければ、帰国により課税を取り消せる場合があります

納税管理人の届出などの要件を満たせば、国外転出の日から5年間、納税が猶予されます。延長の届出をすれば最長10年間まで延ばせます。

猶予を受けるには、確定申告書の提出、担保の提供、毎年の継続届出書の提出といった手続きが必要です。手続きを怠ると猶予が打ち切られますので、出国後も管理が続く点に注意してください。

6. 帰国した場合など

猶予期間中に対象資産を売却せずに帰国した場合には、課税を取り消すことができる場合があります。また、国外転出の時の価額より値下がりした状態で売却した場合の調整、外国で課税された場合の外国税額控除など、いくつもの調整規定が用意されています。

制度が複雑なうえ、判断を誤ると取り返しがつきません。移住を決めてから動くのではなく、検討の段階でご相談いただくことをおすすめします。

7. 贈与・相続でも同じ課税がある

本人が出国する場合だけでなく、非居住者へ対象資産を贈与した場合や、相続・遺贈により非居住者が対象資産を取得した場合にも、同様に譲渡があったものとみなす制度があります。海外に住むお子様へ株式を渡す場面などが該当します。

8. 当事務所に、どこまで依頼できるか

当事務所では、国外転出時課税に関するご相談を承っています。対応している範囲は次のとおりです。

  • 対象になるかどうかの判定(対象資産の洗い出しと評価)
  • 課税される所得と税額の試算
  • 納税猶予を使う場合の手続き、担保の検討
  • 納税管理人の選任と届出
  • 出国後の継続届出書の作成
  • 帰国した場合の更正の請求

9. まとめ

  • 対象資産1億円以上、かつ国外転出前10年以内に国内に5年超いた方が対象。
  • 売っていなくても、時価で売ったものとみなして課税される。現金は入らない。
  • 対象は有価証券、匿名組合出資、未決済の信用取引・デリバティブ。非上場株式も含む。
  • 納税猶予を使えば5年、延長で最長10年まで納付を先送りできる。手続きは出国後も続く。
  • 非居住者への贈与、非居住者が相続する場合にも同様の制度がある。

海外移住をご検討中で、株式や投資信託をお持ちの場合

対象になるかどうかの判定と税額の試算、納税猶予の手続きまでご相談を承っています。移住を決める前の段階でのご相談をおすすめします。出国税(国外転出時課税制度)サポート

よくある質問

国外転出時課税の対象になるのは誰ですか?

対象資産の価額等の合計額が1億円以上で、かつ国外転出をする日前10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超える居住者です。1億円の判定は、国外転出の予定日から起算して3か月前の日の現況で行います。

何が対象資産になりますか?

有価証券(上場株式、非上場株式、投資信託、国債・社債など)、匿名組合契約の出資の持分、未決済の信用取引・発行日取引、未決済のデリバティブ取引です。不動産、預貯金、外国通貨、貴金属は対象外です。非上場株式も含まれるため、自社株を持ったまま移住する経営者は評価額次第で1億円に達することがあります。

株を売っていないのに税金がかかるのですか?

かかります。国外転出の時に対象資産を時価で譲渡したものとみなして所得を計算するためです。実際には資産を保有したままなので現金は入ってきませんが、譲渡所得として申告し納税する必要があります。この制度のいちばん厳しいところです。

いつまでに申告すればよいですか?

納税管理人の届出をしてから出国する場合は、翌年の確定申告期限までです。届出をしない場合は、出国の時までに準確定申告を行うことになります。納税猶予を受ける場合も納税管理人の届出が要件になるため、出国前に手続きを済ませておく必要があります。

納税を先送りすることはできますか?

できます。納税管理人の届出などの要件を満たせば、国外転出の日から5年間、納税が猶予されます。延長の届出をすれば最長10年間です。猶予には確定申告書の提出、担保の提供、毎年の継続届出書の提出が必要で、怠ると打ち切られます。猶予期間中に売却せず帰国した場合は、課税を取り消せることがあります。

<注記>この記事は、制度の全体像を分かりやすく説明することを目的としています。細部の要件は省略している箇所があります。個別の判断については、顧問税理士または当事務所にご相談ください。記載内容は2026年9月時点の法令等に基づいています。