外国法人の法人税・消費税申告代行サービス
外国法人の法人税・消費税 申告代行サービス
このサービスの要点3行でわかる結論
- 日本に会社がなくても、日本国内で得た所得には日本の法人税がかかることがあります。
- 令和6年度の改正で、外国法人の消費税の扱いが変わりました。恒久的施設がないと簡易課税は使えません。
- 帳簿作成から申告、納税管理人、英文決算書まで一括で承ります。年間報酬50万円(税抜)〜。
日本に会社がなくても、日本国内で得た利益には日本の法人税がかかることがあります。
海外の会社だから日本の税金は関係ない、と考えられている方は少なくありません。しかし外国法人であっても、日本国内で取引をしていれば法人税が、場合によっては消費税もかかります。
どの取引が対象になるかは判断が分かれる部分もあります。税務署から指摘を受ける前に、一度整理しておくことをおすすめします。
1. 外国法人とは
まず、言葉の整理からです。
| 内国法人 | 国内に本店または主たる事務所を有する法人。いわゆる日本の会社です |
|---|---|
| 外国法人 | 内国法人以外の法人。本店が日本にない会社です |
よくある誤解
外国法人が日本に支店や事務所を置いても、その法人は外国法人のままです。支店には法人格がないためです。この場合は「恒久的施設(PE)を有する外国法人」として扱われます。
内国法人になるのは、日本で子会社(現地法人)を設立した場合です。いわゆる外資系企業がこれにあたります。
2. 課税される範囲は、恒久的施設の有無で変わります
外国法人に日本の法人税がかかるのは、国内源泉所得、つまり日本国内で得た所得についてです。ただし、その範囲は恒久的施設(PE)があるかどうかで変わります。
| 区分 | 法人税の課税対象 |
|---|---|
| 恒久的施設を有する外国法人 | 恒久的施設に帰属する所得と、それ以外の一定の国内源泉所得 |
| 恒久的施設を有しない外国法人 | 恒久的施設帰属所得以外の、一定の国内源泉所得のみ |
分かりやすいのは、外国法人が日本の不動産を持っている場合です。日本の不動産の利回りは海外の投資用不動産と比べて高く、海外からの投資が続いています。家賃収入という形で日本で所得が生じますので、日本で法人税の申告が必要になります。
一方、日本国内の倉庫に在庫を置き、外注先に発送を頼んで日本のお客様に販売するといった形態は、その倉庫や外注先が恒久的施設に当たるかどうかで結論が変わります。保管のためだけの場所は原則として恒久的施設から除かれますが、活動を細かく分けている場合には除外されないことがあります。また、租税条約の定めも確認が必要です。ここは個別に判断が必要な部分ですので、実際の取引の流れを伺ったうえでご案内します。
3. 国内源泉所得の範囲
国内源泉所得として挙げられているのは、次のようなものです。
| 資産・事業 | 恒久的施設帰属所得/国内にある資産の運用・保有による所得/国内にある資産の譲渡による所得/組合契約等に基づき恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益の配分 |
|---|---|
| 不動産 | 国内にある土地・借地権・建物等の譲渡対価/国内の不動産等の貸付けの対価 |
| 人的役務 | 国内で行う人的役務の提供を事業とする者が受ける対価(芸能人、職業運動家、弁護士、公認会計士、専門的な知識・技能を持つ人の役務など)/国内での勤務等に基づく給与・賞与・報酬・退職手当 |
| 利子・配当 | 日本の国債・地方債・内国法人の社債の利子等/内国法人から受ける配当・剰余金の分配等/国内で業務を行う者への貸付金の利子 |
| 使用料等 | 国内で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料・譲渡対価/著作権の使用料・譲渡対価/機械装置等の使用料 |
| その他 | 広告宣伝のための賞金品/国内の営業所を通じた保険契約に基づく年金等/定期積金の給付補てん金等/匿名組合契約等に基づく利益の分配/国内の業務・資産に関して受ける保険金・補償金・損害賠償金など |
4. 申告の時期と期限
法人税の申告期限は、外国法人であっても事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。内国法人と同じです。
定款の定め等により、事業年度終了後2か月以内に決算が確定しない常況にある場合は、申告期限の延長の特例を申請できます。延長できる期間は、その法人の状況によります。
5. 提出する届出書
| 届出書 | 提出期限 |
|---|---|
| 外国普通法人となった旨の届出書 | 該当することとなった日以後 2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 普通法人に該当することとなった日以後 3か月を経過した日と、その事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日まで |
青色申告は外国法人でも選択できます。欠損金の繰越しなどの特典がありますので、忘れずに申請してください。届出が遅れているケースは少なくありません。気づいた時点で提出しましょう。
国税庁青色申告書の承認の申請
6. 地方税(法人住民税・事業税)
法人住民税と事業税は、事務所や事業所がある自治体に納める税金です。日本国内に恒久的施設がなければ、原則としてこれらはかかりません。国の税金である法人税だけが対象になります。
※ 不動産をお持ちの場合など、事業所等に当たるかどうかの判断は自治体によって異なることがあります。個別にご確認ください。
なお、固定資産税は不動産の所有者にかかる税金ですので、外国法人が日本の不動産を持っていれば課税されます。この固定資産税は、法人税の申告で経費に算入できます。
7. 消費税がかかる場合
外国法人であっても、日本国内で消費税の対象となる取引を行っていれば、消費税の納税義務が生じることがあります。ただし、取引があれば必ず課税されるわけではありません。次の要件で判定します。
① 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合
基準期間とは、法人の場合その事業年度の前々事業年度です。この期間の日本での課税売上高が1,000万円を超えていれば、課税事業者になります。
② 特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合
特定期間とは、前事業年度開始の日以後6か月の期間です。この期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば、課税事業者になります。
令和6年度の改正でここが変わりました
国内の事業者は、この1,000万円の判定を課税売上高に代えて給与等支払額で行うこともできます。しかし国外事業者(外国法人および非居住者である個人事業者)は、給与等支払額による判定ができません。
つまり外国法人の場合、給与等支払額がいくらであっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば納税義務は免除されません。令和6年10月1日以後に開始する課税期間から適用されています。
③ 期首の資本金が1,000万円以上の場合
基準期間がない法人で、事業年度開始の日の資本金の額が1,000万円以上であれば、納税義務は免除されません。
令和6年度の改正でここも変わりました
基準期間がある外国法人であっても、その基準期間の末日の翌日以後に日本国内で課税資産の譲渡等に係る事業を開始した場合は、その事業年度は「基準期間がないもの」とみなされます。
この結果、期首の資本金が1,000万円以上であれば、納税義務は免除されません。令和6年10月1日以後に開始する課税期間から適用されています。
例
2015年に設立された資本金3,000万円・12月末決算の外国法人が、2024年11月から日本国内で課税資産の譲渡等に係る事業を開始した。
この場合、事業を開始した事業年度は基準期間がないものとみなされ、資本金が1,000万円以上ですので、納税義務は免除されません。改正前であれば、基準期間の日本での課税売上がゼロであることを理由に免税とされていた場面です。
※ 実際の判定は、事業を開始した日と各事業年度の期間の関係で変わります。日付を確認したうえでご案内します。
④ 特定新規設立法人にあたる場合
期首の資本金が1,000万円未満でも、他の者に株式等の50%超を保有されているなど一定の場合で、判定対象者の基準期間相当期間の課税売上高が5億円を超えていれば、納税義務は免除されません。
令和6年度の改正で、この判定に「国外におけるものも含めた売上金額・収入金額等の合計額が50億円を超える場合」が加わりました。海外で大きな売上のあるグループの日本法人は、注意が必要です。
8. どのような取引に消費税がかかるのか
消費税は、国内で「資産の譲渡等」があった場合にかかります。資産の譲渡等とは、次の3つです。
- 資産の譲渡(売却)
- 資産の貸付け(賃貸)
- 役務の提供(サービスの提供)
外国法人で実際に問題になりやすいのは、次のような場合です。
| 日本国内にある商品を売買している | 日本にある商品を日本国内で販売していますので、消費税の対象になります |
|---|---|
| 日本のオフィスビル等を貸している | 事業用の家賃には消費税が含まれますので、納税義務が生じます |
| 日本の居住用不動産を貸している | 住宅の家賃は非課税ですので、この収入について消費税の申告は不要です |
インターネットを使えば、日本に人を置かなくても業務の指示ができます。日本に在庫を置いて販売する形態は増えていますので、消費税の判定は早めに行っておくことをおすすめします。
※ 令和7年4月1日から、消費者向け電気通信利用役務の提供のうち一定のものについて、特定プラットフォーム事業者が申告・納税を行う「プラットフォーム課税」が始まっています。アプリやデジタルコンテンツを提供している外国法人は、こちらもご確認ください。
9. 簡易課税は、日本に恒久的施設がないと使えません
ここも令和6年度の改正で変わりました
その課税期間の初日において恒久的施設(PE)を有しない国外事業者は、簡易課税制度と2割特例の適用を受けられません。令和6年10月1日以後に開始する課税期間からです。
改正前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していた場合でも、課税期間の初日に恒久的施設がなければ簡易課税の適用はありません。
日本に事務所を持たない外国法人は、この改正により原則的な方法(本則課税)で計算することになりました。売上の消費税だけでなく、仕入れや経費の消費税についても、帳簿と請求書等の保存が必要です。
日本に恒久的施設がある外国法人で、基準期間の課税売上高が5,000万円以下であれば、簡易課税を選択できます。その場合、届出書は適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出してください。
10. 租税条約を確認してください
租税条約は、日本と相手国との間で取り決めた税金のルールです。国内法よりも優先して適用されます。
国内法では外国法人の国内源泉所得に課税されますが、租税条約により、日本に恒久的施設がなければ事業所得は日本で課税されない、とされている場合があります。また、使用料や利子・配当の源泉税率が国内法より低く抑えられていることもあります。相手国がどの条約を結んでいるかで結論が変わりますので、必ず確認してください。
11. 外国税額控除
同じ利益に本国と日本の両方で課税された場合、本国側で日本に納めた税額を控除できることがあります。これが外国税額控除です。多くの国に同様の制度がありますので、控除の適用を忘れないようにしてください。
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12. 申告しなかった場合
「海外の会社だから分からないだろう」ということはありません。税務署は国外との取引に目を向けており、金融機関からの調書や国同士の情報交換によって、取引の記録は残ります。
申告が漏れていた場合は、本来の税額に加えて延滞税・無申告加算税がかかります。仮装や隠ぺいがあれば重加算税が課されます。いずれも本来なら払わずに済んだ負担です。
13. 納税管理人
外国法人が日本での手続きや納税を自ら行うのは、実務上かなりの負担です。日本国内に住所を持つ方に一任することができますので、「納税管理人の届出書」を提出しておいてください。当事務所でも納税管理人をお引き受けしています。
国税庁納税管理人の届出
くわしくはこちら
14. 当事務所のサービス内容
- 日本国内の所得についての帳簿作成
- 法人税・消費税の申告代行
- 納税管理人サービス
- 英語での決算書の作成
- 本国で外国税額控除を受けるための書類の準備
15. 料金
| 日本での売上規模 | 帳簿の作成 | 法人税申告 | 消費税申告 | 年間報酬 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 30万円 | 20万円 | — | 50万円 |
| 3,000万円以下 | 40万円 | 20万円 | 5万円 | 65万円 |
| 5,000万円以下 | 50万円 | 20万円 | 10万円 | 80万円 |
| 5,000万円超 | 要相談 | |||
- 英語での帳簿作成が必要な場合は、帳簿作成料金の30%増しとなります。
- 1年間の契約となり、半期ごとの前払いです。
- 上記は概算です。事前にお見積もりをお出しし、ご説明したうえで進めます。
- 金額はすべて消費税抜きです。
16. まとめ
- 日本に会社がなくても、日本国内で得た所得には法人税がかかることがあります。
- 課税される範囲は、恒久的施設(PE)があるかどうかで変わります。
- 消費税は令和6年度の改正で、外国法人の扱いが大きく変わりました。給与での判定不可、事業開始時期による資本金判定、簡易課税の適用除外の3点はご確認ください。
- 租税条約の確認も忘れずに。まずはご相談ください。
<注記>このページは制度の全体像をご説明するものです。恒久的施設に当たるかどうかなど、個別の判断は状況を伺ったうえでご案内します。記載内容は2026年9月時点の法令等に基づいています。
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